読了「アフリカから来たランナーたち」
「アフリカから来たランナーたち」という本を読んだ。
『アフリカから来たランナーたち 箱根駅伝のケニア人留学生』泉秀一 | 文春新書

年末に立ち寄った駅の書店で購入。世間は箱根駅伝とかニューイヤー駅伝とかで盛り上がっていたし、弊社でも所属しているグループ企業に陸上部が存在し、青山学院大学の卒業生が多く所属している。
これまで自分自身あんまり駅伝を熱心に見てこなかったのだが、なんとなく年始にテレビで垂れ流してみていたので、外国人ランナーが走っていることは知っていた。しかしながら、なぜその人たちが遠い異国の地で駅伝のランナーとして走っているのかについて、この本に出会うまでまったく気にしたことがなかったことに気付いたのが購入のきっかけである。
本の内容は、これまでの歴史を紐解くだけではなく、実際にアフリカ現地に赴いて、現役の選手の素顔に迫ったり、かつて有力選手を輩出し続けた伝説の「ガル高」の実態に迫るといった、ジャーナリズムにもあふれる内容となっている。
個人的に読んでよかったなと思ったポイントは、先にも書いたが、彼らにも人生があるということに気付かされたことである。ただでさえ「駅伝の選手」なんて、想像もつかない生活をしているにもかかわらず、彼らは遠い日本にやってきて、走ることを職業としている。あまりにも自分とかけ離れた存在ではあるが、その彼らがなぜ日本にやってきたのか、日本でどうやって暮らしているのか、そして選手のその後はどうなるのかが知れる内容で、読み終わった後は勝手ながら選手たちを少し身近に感じられるようになった。
また、公立高校の世羅高校で最初に外国人ランナーを受け入れるまでの流れも面白かった。世羅高はかつて駅伝の名門校だったが、低迷期に起きたとある事件、名門校ゆえの地域からの期待、留学生を受け入れるための制度のハックや、名門校ゆえの反対も多い中におけるランナー個人の奮闘など、いくつもの障壁を乗り越え、また名門校として復活していく。
色々書き連ねたが、あまりレビューが得意ではないので、これぐらいにする。自分はこの本を年明けにかけて読んでいたので、1月1日のニューイヤー駅伝や、2日・3日の箱根駅伝を見るときの視点が大きく変わる機会となった。
駅伝に少しでも興味がある人であればおすすめだし、そうでない人もぜひ読んでほしい一冊である。